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朱鷺をテーマにした物語の一部を紹介します。

「朱鷺の墓」五木寛之(1976年)新潮文庫上・下巻
日露戦争下の城下町金沢。東郭の美貌の芸妓・染乃はあるとき暴漢に襲われるが、金沢に捕虜として滞在していたロシア貴族出身の青年将校イワーノフに救われる。やがてふたりは恋いに落ち結ばれるが、そのために周囲の偏見と迫害のうちに過酷な運命にもてあそばれる。第一次世界大戦、ロシア革命、昭和恐慌と続く激動の時代の中で、ハルビン、ウラジオストック、ナホトカ、ソフィア、パリとめぐりやがて運命の時をむかえる。「婦人画報」連載途中より話題となり、テレビドラマや演劇にもなった作品。実物の朱鷺には関係がないが、激しい試練に立ち向かってゆくふたりの愛を美しくはかない朱鷺のすがたにたくして描いた大河ロマン。
「朱鷺ものがたり」宮崎隆典(1990年)
日本生活協同組合連合会「こーぷらいふ」1990年3月号〜5月号に連載
佐渡で長年実際に朱鷺の保護を続けておられた高野高治氏の回想をもとに取材し書き上げられた作品。タカジこと高治氏の朱鷺にかける情熱と生態の観察とを通して、自然の美しさ、大切さをだれにでも分かりやすく絵本の体裁で書いたもの。朱鷺が絶滅の淵に追いやられたのはあきらかに人災であること、日本人の自然保護の意識がいかに低いものであったかなどが伝わってくる。しかし今、朱鷺への関心とともに自然への関心は深まり、タカジの意志を受け継ぐ若い世代が着実に育っている。安部稀子氏の挿絵が作品を暖かく彩る。高野氏は97年7月逝去。ご冥福を祈る。
「トキ」矢口高雄(1981年)双葉社アクションコミック
駒ヶ岳山麓、かつては朱鷺が住みついていたという「朱鷺の村」。(ちなみに「駒ヶ岳」という山は全国に15もある。)そこに17歳になる娘が父とともに暮らしていた。娘の名はトキ。自然の大切さを訴えるトキの父。自然保護よりも野良仕事の軽減と収穫高の増加の方が村人たちには切実な問題。農薬散布をめぐって意見は食い違う。そんな父をやがて病魔が襲う。ふたりは佐渡へ本物の朱鷺を見にゆく。そこで新たな出会いが待っている。「釣りキチ三平」で知られる矢口氏が佐渡現地に取材。自然に対する氏の憧憬が込められた珠玉の作品。多くの人に読んでもらいたい。なお、朱鷺の保護に情熱を注ぐ高野高治氏はこの作品にも登場している。
「朱鷺の遺言」小林照幸(1998年)中央公論社
元県立両津高校教諭佐藤春雄氏の目をとおして綴られた、朱鷺保護活動の記録。戦前からつづく佐藤氏の鳥にむける情熱や、戦後の朱鷺との初めての出会いと邂逅を多くのエピソードをまじえて描きだす。朱鷺を守る人達の真剣さは時に真っ向から意見の対立を生み出し、またクローン技術などの最新のテクノロジーなどにも話題はおよぶ。しかし、そうした努力も空しく朱鷺は次第にその数を減らしてゆく。「朱鷺を殺してしまった」そうつぶやく晩年の高野氏の言葉が胸を刺す。著者小林照幸氏の筆は、丹念に集めた当時の関係者の証言や膨大な資料をもとにしているだけに、まるでそこにいて共に体験しているかのような臨場感を読む者に与える。
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